前回に続き、高齢者リフォームを行う際の「優先順位」について今回はより具体的にしていこうと思います。
やっぱり、ご高齢者や被介護者からの一番の希望はトイレのリフォームです。毎日よく使われるトイレだからこそ改修優先度を高くする必要があります。
どこから始めればよいか迷った場合は、トイレのリフォームをまずはお勧めします。
トイレが利用しやすいとどれだけ安心できることか…
ちょっとした心の不安を取り除いていくことは、生活にハリを与え前向きになる第一歩です。
・手すりを付ける(費用:3万円〜)
一人っきりのトイレの中。立ったり座ったりする動きをするのが苦手な方でも、手すりひとつで楽になり安心できます
・床の段差解消(段差解消スロープの設置費用:約1万円)
トイレの床を上げると、便座への乗り降りがしやすくなりますよ。
・出入口を広げる(費用:20万円〜)
扉の位置を変えたり、扉自体を交換したりする方法もあります。緊急の場合もあるので、スムーズにトイレに出入りしたいものです。
おすすめはドアタイプではなく引戸にすることです。
約4,800人
この数字…実は 令和2年に厚生労働省が発表した人口動態統計の、高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者数。
そして驚くべきことに、同じ年の交通事故死者数の約2倍です。 消費者庁からも注意喚起がなされています!
さまざまな原因が考えられますがご自身やお年寄りのご家族にとって、入浴中の事故は注意が必要な問題なのです。
2階は使っていない、もう何年も2階には行っていない…そんな声も時々耳にします。
それくらい「階段」というハードルは高く、同時に危険なところなのです!
そんな階段にはこんなリフォームがおすすめ。
・手すりの設置(費用:3万円〜15万円)
階段を上り下りするのがお年寄りにとって最も危険な場所だと言っても過言ではありません。
現在、新築住宅の階段には手すりの設置が義務付けられていますが、設置義務がなかった2000年以前に建てられたと思われる建物には必ず手すりを設置することをお勧めします。
・滑り止めフロアへの変更(価格:15万円〜)
傾斜が大きい場合や階段が小さい場合は踏み外す危険性がありますので、滑り止めの床材に変更することで安全に上り下りをすることが出来ます。また、小さなお子様でも安心してご利用いただけます。
中レベルではありますが非常に大事な部位です。
以前の記事でも書きましたが、高齢者や被介護者にとって「外出」は大きなメリットです。社会とのつながりを持ち、外に出てリフレッシュすることは健康で元気で生きられる最大の要因ともいえるのではないでしょうか。
そんな「外出」を助ける玄関リフォーム。
ここでも安全を元に移動しやすいアイテムをご紹介します。
普段何気なくいつも通りに歩くところが危険な場所になる!
これが高齢者や被介護者にとっての大きなポイントとなります。
階段や玄関やトイレや浴室は「さあ行くぞ」と気を引き締める気持ちが働きますが、普通に歩く部屋に段差があると高齢者といわずともつまずきますよね!?
ここまで「トイレ」「浴室」「階段」…など各部位に分けてどのようなリフォームが効果的かを説明してきました。
しかしながら、それぞれ身体状況も異なりお住いの家の状態もさまざまです。
よって出来ることとできない事があるかもしれませんが、何度もお伝えした「移動」というところをポイントにリフォームが出来れば間違いなく日々の行動が楽になります。
リフォームすることが目的ではなく、その先に「楽しい生活」「出かける楽しみ」「友人と話す楽しみ」など健康に欠かせない大切なものが待っていますので、ぜひ伊万里のリフォームライフの建築士にご相談ください。